今週雪ですって。

重松清の【疾走】は私だいぶ好きでした。
読んでると自分まで目が穴ボコになりそうだったけど、その感覚が妙に心地良くて読むのをやめられなかった。
【青の炎】みたく、読んでて息苦しくなるのとはまた別なんだ。
シュウジは、最後は強いひとりになれたけど私は強いひとりには到底なれないなと思う。
私は弱いひとりだから、読み終わったあと即行誰かと繋がりたいと思った。

「電話しなくていいから、俺の番号、知っといてほしいんだ。
 
 誰かが知ってるっていうだけで、なんか、うまく言えないけど、いいんだ、すごく。」

この科白にはだいぶキタね。
世の中には色んな不幸があるけど、想像だにしていなかった程の不幸もあるんだな。
幸せにも色んな形や大きさがあるように。
人間はいつでも移り気で右に転ぶか左に転ぶか、
自分では気づかないけど、どっちに転んでも良い様にいつだって準備はできている生き物なんだから。
しかし、シュウジの最後は美しかったんだよな私的には。
重松清バンザイ、ハマる、愛妻日記と全然ちゃうやん、普通のおっちゃんやのに。


吉田さんいいねやっぱり面白い。
まだ書けそうな続きを書かずに敢えてそこで終わらせるっていう技は流石スゴイ。
それが読者に考える余韻を与えてくれる。
内容的には、今までに読んだ吉田さんの作品の中でも一番若々しさを感じる。
表題作の他に【グリンピース】と【突風】の二篇収録。
どれも面白いので是が非でも。

あー本がこの世にあって本当によかった。
ストレスが吹っ飛ぶ。
1Q84BOOK34/16に発売されるらしいので早速予約してきたイヒヒ。
次何読もうかなー。

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